お母さんの焼きそば。
私は三人きょうだいの一番上です。
弟が二人います。
私が小さい頃、母は専業主婦でした。
土日のお昼ご飯には、よく焼きそばを作ってくれました。
食べ盛りの弟二人と私、両親で五人分。
お母さんのお皿の焼きそばは、
いつも麺ばかり。
あまりに具が少ないので、
「お母さん、みぃのキャベツ取っていいよ。
何でそんなに具がないの?」
と言うと、母は
「お母さんは、この焼きそばが好きなの。
あんたは、そんな事気にせず食べなさい。」
私は不思議でした。
子供たちには、
〝肉も野菜も栄養がたくさんあるんだから、残さず食べなさい。〟
と言うのに、自分は麺ばかり。
父も、食べている最中に、
「かつ、たか、(弟) これ食うか?」
と、お肉を弟のお皿へ移す。
何よ!二人して!
と思ってました。
そして私も母になり、
今夜はウインナーと大葉とキャベツのパスタを作りました。
お皿に盛るとき、
〝息子はウインナーが好きだから~。〟
と息子のお皿にはウインナーを沢山入れ、
主人のには、彩りが~。
と、なるべくバランス良く盛り、
自分のを最後に盛ったら、麺ばかりになりました。
『あぁ、お母さんは、こういう気持ちで皆のお皿に取り分けてたのかな。』
と思いました。
『そっか、そういえば、お母さんは
いつも自分の事は後回しだったな。』
あれは、
お母さんの優しさ溢れる焼きそばだったんだ。
と気付きました。
お母さん、私はまだまだ未熟なお母さんだけど、いつかお母さんみたいになるのが夢です。
孫を誰よりも溺愛する母。
少しづつ、恩返しが出来ますように..。